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黒い天使:scorpio<京都追撃編003>

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写真: 黒い天使:scorpio<京都追撃編003>

写真: 黒い天使:scorpio KYOTO追撃編004 写真: 黒い天使:scorpio<京都追撃編002改>

(それぞれの写真に添えられたAYAKAのストーリーをお楽しみ下さい。読むのが面倒な方は作品のみ、自由なイメージでご覧下さい。)

<不意打ち!>
 HILDAから指示された狙撃を終えたAYAKAは京都市内のホテルの地下駐車場に愛車ベンツSL500を乗り入れると、壁際のスペースに停車させて車を降りた。
 部屋に戻ろうと歩き出したところで違和感を覚えたAYAKAは、自分の車に戻り、手にしたコートとライフルを収めたアタッシュをトランクに入れた。そして再び駐車場の出入り口に向かって歩き出した時、それは、いきなり始まった!

 AYAKAの耳元には、先にヒュンという弾丸の飛来音が聞こえたような気がした。続けて間髪をおかずにガガガガッという9mm弾特有のサブマシンガンの立てる特徴のある発射音が!AYAKAの立っている20cm横のシルバーグレイのビートルのフロントガラスが穴だらけになった!と思う間もなく拳銃の発射音が続けざまにして、AYAKAの回りの車に着弾した。ポルシェ912やTOYOTAベルファイアなどの、それぞれの塗装を傷つけ、塗膜を空中にまき散らす…AYAKAは素早く身を縮めると、左横のポルシェカイエンの後輪の陰に踞って身を隠した。
刺客A「やっ!あのオンナ、隠れやがった!」刺客B「弾が当たったんじゃないか?」刺客C「待て!倒れたのを確認するまで油断するな!」
 
 刺客Cの声には聞き覚えが:AYAKAは三人目の声の主が前回討ち洩らした敵HUKUIだと直感した!AYAKAは腰のホルスターから45AUTOを抜き出し、静かにスライドを引いて初弾がチャンバーに装填されているのを確かめた。マガジンと合計で8発だ。上着の隠しポケットから二本の予備弾倉を取り出し、ベルトの前に差した。地を這うような低い姿勢で耳を澄ましたAYAKAの耳にHUKUIの声が聞こえて来た。
HUKUI:「おい、お前は反対側から回り込んでオンナを探せ。そして、お前は俺と一緒にコチラに来い。」指示された男達が回り込む足音が響いた。一人だけはAYAKAの隠れた場所から東側に向かって移動し、少し遠ざかったようだ。
 そうしてる間にHUKUIと、もう一人の部下はAYAKAが隠れているカイエンの反対側の通路から近づいて来たようだ。靴音がカイエンの手前5m位の所で止まる。
HUKUI:「おい!オンナ!そこらに隠れてるのは判ってるんだ!今のウチだぞ!出てこい!」
刺客A:「返事がないですね…」
HUKUI:「ふん。よーし、あそこ目がけて撃て!」
HUKUIの声に呼応して部下の男が銃のスライドを引く音が響いた。ガシャ!重く大きく響く、その音はポンプアクションのショットガン特有のものだ!音を聞いたAYAKAはカイエンのタイヤに自分の体がつま先まで完全に隠れるように思い切り身を縮め、頭を両手で覆うように押し包んだ。右手の45AUTOは、しゃがみ込んだ両方の太腿の間にセーフティーを掛けて挟み込んだ。それを待っていたようにショットガンの轟音が炸裂した!ダブルOパックの大粒弾は、AYAKAが隠れた銀色のポルシェカイエンのボディに着弾!頑丈なボディを数発が貫いて、横に停められたクラウンのボディにメリ込んだ。弾け跳んだ数発は駐車場のコンクリートに食い込み、ハデな土煙と破片を撒き散らした。この弾丸が散弾銃で最大の威力と言われる事が頷ける。AYAKA危機一発!AYAKAは思わず叫びそうになる悲鳴を精神力で抑えつけた。タイヤの陰に身を小さく縮めていたおかげで、体の何処にも傷は受けていないようだ。
 HUKUI:「ここは違うようだな。じゃあ、先に進むぞ。」
刺客A:「はい。社長。」
 二人は靴音を響かせながら、カイエンの横を通り過ぎようとした。その時であった、後輪の陰に隠れていたAYAKAは素早く前転しながら、一度、前輪の所まで移動した。その姿はまるで闇の中で敏捷に移動する黒い女豹のそれであった。転がりながら先に通り過ぎる男の靴先と、ぶらっと下げられたショットガンの銃口を横目で確認した。前輪の位置で止まったAYAKAは、足の間から取り出しセーフティを外した45AUTOを両手で構えながら、今度は素早く後ろに仰け反り、駐車している車の下に音も立てずに横向きに倒れた。その時、丁度、後ろから歩いて来た男の靴先がAYAKAの目の前に来た!茶色のメッシュ柄のイタリー製の靴、(京都襲撃編004参照)自分の左手を踏みにじったサディストHUKUIの靴だ。AYAKAは、目の前に踏み出された右足のその靴目がけて45AUTOの引き金を2回絞った!GAN GAN!深夜の駐車場に怨念の銃声が重く響く!
 いきなり、右足の先端を45ACP弾で貫かれた痛みに、右手のサブマシンガンを放り投げたHUKUIは見苦しい悲鳴を上げて転げ回った!そのHUKUIが見た人生最後の光景は、車体の下から自分に向けて構えられた45AUTOの銃口と、氷の様に研ぎすまされ青い炎に燃えるAYAKAの瞳であった。AYAKAの肉親を嬲り殺した仇敵HUKUIの左目に2発の45ACP弾が叩き込まれ、この悪党は即死した!
 通り過ぎた車体の下からの不意打ちに面食らった刺客Aは、不覚にも最大の武器ショットガンを取り落とすと、上着の内側のホルスターに収めたベレッタM92Fに右手を奔らせた。
刺客A:「畜生!どこだ!出てこい!」
少し離れた位置から回り込んだ刺客Bも、大きな声でAに呼びかけた!
刺客B:「おい!どうした!オンナを仕留めたか?」
刺客A:「ダメだ!社長が…うっ!」
そこまで叫んだAの声は、そのまま途切れた!いきなり目の前に立ち上がったAYAKAが立ち上がりざまに投げたブーツナイフがAのノドに突き刺さった。
いきなりノドをかき切られたAはベレッタを放り出し、両手でノドの傷を押さえながら絶命した。続いて走り込んで来た刺客Bも、最早AYAKAの敵では無かった。再度、カイエンの車体の下で刺客を待ち構えたAYAKAはHUKUIを倒したのと同じやり方で刺客Bを葬った。
 刺客Bの死体が右手に握りしめていた銃は、50AEのCOLT45AUTO ベースのカスタム銃<グリズリー>であった。AYAKAは鈍い光を放つその銃を拾い上げると、素早く自分のベンツ500SLに戻ってトランクの中のアタッシュケースに収納して施錠した。
 3対1の不利な闘いにもコンバットシューティングで鍛えたAYAKAの射撃技術は迫り来る3人の刺客を瞬く間に倒したのだ。
 AYAKAは右手の45AUTOをヒップホルスターに戻すと「ふーっ」と小さく長い安堵の溜め息を洩らした…
 上着のポケットからiPhone4sを取り出したAYAKAはHILDAに電話をかけて<現場処理をする掃除人>の派遣を頼んだ。約10分で掃除人チームは派遣されて来るようだ。
<プシュ>AYAKAが携帯を上着の内ポケットに仕舞うと同時に、その小さな音が聞こえて、AYAKAは首の左後ろにチクッと刺されるような痛みを感じた。そして次の瞬間、AYAKAの意識は闇の中に沈み込むように遠のいて行った…

<@komichi2 さんからのコメント>
これは、凄いアクションを感じさせる写真とストーリーでした! 

アルバム: 公開

タグ: アート 写真

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  • Yasuo Nakayama

    Yasuo Nakayama
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    2012年2月3日 11:57 Yasuo Nakayama (0)

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