At the twilightzone0022

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「土蜘蛛よ、お前が捕えた阿国さまの霊を放せ！」
神嶋麗蘭の声に上空を見上げた妖怪女郎蜘蛛の喉元（顎下10cmほど）に逆落としに落ちて来た麗蘭の斬妖剣が突き刺さった！「グワァアアー！」断末魔の絶叫を上げた妖怪の体は巨大な黒雲と化した直後、空中で渦巻くように回転しながら雲散霧消していった！後に残ったのは、女郎蜘蛛を斬り裂いた直後に空中で前転して着地し、油断無く残心の構えをとる神嶋麗蘭の姿のみである。
「出雲阿国様の御霊に申し上げます。神嶋麗蘭、阿国様の魂を捕らえ苦しめていた妖魔1体、調伏致しました。どうぞ安らかに御昇天なさいませ…」
　刃を納めた愛刀＜斬妖剣＞を傍らのベンチに横たえた麗蘭は出雲阿国の霊に向かい合掌し、その魂の永遠の平安を祈念するのだった。さきほどまで夜明けの薄闇に黒く沈んでいた不忍池（しのばずの池）も、今は昇って来た朝日に照らされ、青々と繁茂する蓮におおわれた水面や、岸辺に咲き誇る季節の花・紫陽花の美しい夏景色を見せていた。

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